Deep River (深い川)

2018 年の定期演奏会で黒人霊歌に初挑戦します。 2017 年 11 月から練習を始めたのが「Deep River」。 深いというのは水深のことではなく、自由と隷属、生と死の境という象徴的な意味です。

Deep river, my home is over Jordan,
Deep river, Lord,
I want to cross over into campground.

できることなら、あの川を渡って集いの地(campground)に行きたい。なお、新約聖書の中にあらわれる「ヨルダン川(Jordan River)」と即断することに対しては異説があります。

アメリカの南北戦争 (1861 - 1865) は、黒人奴隷制度をめぐった北部 (アメリカ合衆国) 諸州と南部 (アメリカ連合国) 諸州の戦いでしたが、 当初合衆国に残っていた奴隷州である 4 州が連合国に合流します。

この中にノース・カロライナ州が含まれていますが、 くしくも「Deep River」という川が実在します。これを越えて北へゆけばバージニアへ。 それでもだめなら、さらにその北へ。

アメリカの奴隷解放の歴史を振り返りますと、 一つの川を越えれば救われるというものではありませんでした。 ノース・カロライナ州の「Deep River」が当時どういう状況にあったかを、 いま調べています。この曲とは無関係かも知れませんが。


[ 歌いかたの注意点 ]

  • バリトンのソリで、「Deep」は口を横に開かず絞る感じで深い声の響きにする。
  • 同じく「River」は、「Ri」を強く「ver」は余韻程度に。
  • 「campground」の「camp」は「還付」ぐらいに発音するほうが黒人らしい。
  • 「Lord」は「L」をはっきりと。「ord」は R の発音を含むので舌を巻く感じ。

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