見上げてごらん夜の星を の時代背景

日本が真珠湾を奇襲し太平洋戦争が始まった、その二日後(1941年12月10日)、川崎市の料理屋で一人の男の子が産声をあげた。本名、大島九(ヒサシ)、後に超ビッグシンガーとなる坂本九(さかもときゅう)。

九ちゃんと言えば世界的に大ヒットした「上を向いて歩こう」が有名だが、もう一曲、さまざまな意味で多くの恵まれない人たちへの鎮魂歌となっているのが「見上げてごらん夜の星を」。

昭和38年(1963年)に発売されたこの歌は、もともと 定時制高校を舞台にした同名のミュージカル(1960年初演)の劇中主題歌であった。日本レコード大賞作曲賞受賞。 「上を向いて歩こう」と同様に、高度成長期の日本、主に東北地方から集団就職で上京した当時の若者たちが主人公のミュージカル。とりわけ、定時制高校に通いながら、苦しいときには故郷を思い出して、明日への希望につなげた心情が歌詞に生かされている。

♪見上げてごらん 夜の星を
 ぼくらのように 名もない星が
 ささやかな幸せを 祈ってる

 手をつなごう ぼくと
 追いかけよう 夢を
 二人なら 苦しくなんかないさ
  ....

この歌を口ずさみながら、思わず涙した人も多いことだろう。

[ トップページ | 曲リストに戻る ]