ナブッコの解説

『ナブッコ』(Nabucco)、原題『ナブコドノゾール』(Nabucodonosor)は、 ジュゼッペ・ヴェルディ(1813年10月10日 - 1901年1月27日)が作曲した全4幕からなるオペラです。 登場人物は:

  • ナブコドノゾール王(バリトン):バビロニアの王、史実上のネブカドネザル2世。歌劇中ではナブッコと呼ばれる。
  • イズマエーレ(テノール):エルサレム王ゼデキヤの甥。
  • ザッカリーア(バス):ヘブライ人の大祭司。
  • アビガイッレ(ソプラノ):恐らくナブッコと女奴隷の間に生まれた子。ナブッコは王女中の長女として育てている。
  • フェネーナ(ソプラノ、但し声域的にはメゾソプラノも可):ナブッコとその正妻(の一人)との間に生まれた子。アビガイッレからみると妹分とされている。イズマエーレとは恋仲。

合唱曲「行け我が想いよ、黄金の翼に乗って」

このオペラで、最も有名な曲と言えば、 第3部で強制労働を強いられるユダヤ人の人々が、故郷を想って歌う合唱曲 「行け我が想いよ、黄金の翼に乗って」です。感動的なこの歌はイタリアの第2の国歌とされています。 対訳例を以下に示します。

Va, pensiero, sull'ali dorate;
Va, ti posa sui clivi, sui colli,
Ove olezzano tepide e molli
L'aure dolci del suolo natal!

Del Giordano le rive saluta,
Di Sionne le torri atterrate...
Oh, mia patria sì bella e perduta!
Oh, membranza sì cara e fatal !

Arpa d'ôr dei fatidici vati,
Perché muta dal salice pendi?
Le memorie nel petto raccendi,
Ci favella del tempo che fu!

O simile di Solima ai fati
Traggi un suono di crudo lamento,
O t' ispiri il Signore un concento
Che ne infonda al patire virtù!
Patire virtù...

行け、思いよ、金色の翼に乗って、
行け、おまえは山に丘に憩い、
そこでは、暖かく柔らかい
祖国の甘いそよ風が薫っている!

ヨルダンの川岸へ挨拶を届けよ、
倒されたシオンの塔にも・・・
あぁ、わが麗しの失いし祖国よ!
あぁ、懐かしくも酷い思い出よ!

運命を預言する預言者の竪琴よ、
なぜ柳の木に掛かって黙っている?
胸の中の思いを再び掻き立てる、
過ぎ去りし日を我らに語るのだ!

又は運命のソリマ(エルサレム)と同じ
辛く悲しい響きをもった悲劇の詩を、
さもなくば、辛苦に耐えうる勇気を
呼び起こすような快い主の霊感を!
苦しみに負けない強き心を・・・


イタリア語の発音の基礎

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