島原の子守唄の歌詞の意味

おどみゃ 島原の おどみゃ 島原の
梨の木 育ちよ
何の梨やら 何の梨やら
色気なしばよ しょうかいな
はよ寝ろ 泣かんで オロロンバイ
鬼(おん)の池ん 久助(きゅうすけ)どんの
連れんこらるばい

帰りにゃ 寄っちょくれんか
帰りにゃ 寄っちょくれんか
あばら家 じゃけんど
唐芋飯(といもめし)や 粟ん飯
唐芋飯や 粟ん飯
黄金飯(こがねめし)ばよ しょうかいな
嫁ごん 紅(べん)な誰(だ)がくれた
唇(つば)つけたなら 暖ったかろ

姉しゃんな 何処行たろかい
姉しゃんな 何処行たろかい
青煙突のバッタンフール
唐(から)は 何処ん在所(にき)
唐は 何処ん在所
海の涯(はて)ばよ しょうかいな
はよ寝ろ 泣かんで おろろんばい
おろろん おろろん おろろんばい

私は島原の梨の木のある家で育った。
何が梨だろう・・・色気も何も無い・・・
早く寝ろ! 泣くんじゃない!
鬼池の人買いが連れ去りに来るぞぉ。
(鬼池は島原の対岸、天草の地名)

帰りに家に寄っていけよ。
見窄らしい家だけど。
粟飯に芋を混ぜた黄金飯があるよ。
嫁の口紅は誰がくれたのだろう。
火のような赤色、唇につけたら熱いだろう。

姉さんはどこにいったんだろうなぁ・・・
青煙突の外国の石炭運搬船に乗せられて。 外国ってどのあたりなんだろう。 海の果てにあるらしいけど・・・


子守歌ではありますが、「からゆき(唐行き)さん」へのレクイエムとも受け取れます。
 (からゆきさん: 島原地方から外国へ売られていった女性たちの総称)

貧しい家の娘が必死で生活しながら子供をあやすけなげさ・・・ 色気が無いから、私は外国に売られる心配はいらないと安心してたのだろうか・・・ 貧しいながらも手に入った食べ物を近所に振る舞うやさしさ・・・ 娘が売られていく船が人目に付かぬよう、無人の家に放火したのでしょうか・・・ 売られていきながらも普段食べることの出来ないごちそう(握り飯)の味はどう感じたのだろう・・・

出典: 長崎高 音研

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