Torna a Surriento

「帰れソレントへ」(Torna a Surriento)は、 イタリアのソレントに捧げられた代表的なナポリ民謡(カンツォーネ)の一つ。 1902年9月15日にソレントを訪れた、時の首相ジュゼッペ・ザナルデッリのために作曲されました。 市長は(首相からの経済的援助を期待して)ジャンバッティスタ・デ・クルティス(作詞)とエルネスト・デ・クルティス(作曲)の兄弟に曲を作ることを要請しました。

後の1960年にエルヴィス・プレスリーが「サレンダー」と言うタイトルで英詞で歌って アメリカでもNo.1を獲得するヒットとなりました。

歌詞の意味は次のとおりです。

Vide ’o mare quant’è bello
ごらん、なんて美しい海だろう

Spira tantu sentimento
豊かな感情があふれている

Comme tu a chi tiene mente
あなたの優しい言葉が

ca scetato ‘o faie sunnà
私を夢心地にするように

Guarda guà chistu ciardino
ごらん、この庭を

siente siè sti sciure arance
感じて、このオレンジの花の香りを

nu prufumo accussì fino
この繊細な香りは

dinto ‘o core se ne va
心にしみ入る

E tu dice: I parto addio!
なのにあなたは言う、「さよなら」と

t’alluntane da stu core
私の心から遠く離れて

da la terra de ll’amore
そして恋の思い出の地からも

tiene ‘o core ‘e nun turnà?
本当に帰る気はないのか

Ma nun me lassà
行ってはいけない

nun darme stu turmiento! 私を悲しませないで

Torna a Surriento
帰れソレントへ

famme campà!
私を助けて

Vide ‘o mare de Surriento,
ごらん、ソレントの海を

Che tesoro tene ‘nfunno
奥底に宝が眠っている

Chi ha girato tutto ‘o munno
世界中を巡った人も

Nun l’ha visto comma ‘a ccà
こんな場所は見たことがない

Guarda attuorno sti Sserene,
あたりをごらん、セイレーンたちが

ca te guardano ‘ncantate
心奪われあなたを見つめている

e te vonno tantu bene
あなたを大切に思っている

te vulessero vasà.
口づけしたいほどに

e tu dice:I parto addio!
なのにあなたは言う、「さよなら」と

t’alluntane da stu core
私の心から遠く離れて

da la terra de ll’ammore
そして恋の思い出の地からも

tiene ‘o core ‘e nun turnà? 本当に帰る気はないのか

Ma nun me lassà
行ってはいけない

nun darme stu turmiento
私を悲しませないで

torna a Surriento
帰れソレントへ

famme campà!
私を助けて

上記の歌詞に出てくるセイレーン(Sserene)は、 上半身が人間の女性で、下半身は鳥の姿。 後世には下半身は魚の姿をしているとされました。 海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせるとされています。 ここでご紹介する絵はそのバリエーションの一つです。

[ トップページ | 曲リストに戻る ]