[ 0037: 円周率を計算しすぎて ]
[ 「虚構新聞」の記事を拝借します ]
2006 年 4 月 1 日 (エイプリルフール):
従来のコンピュータの数千兆倍のものすごい勢いで円周率を計算する
「仮想テラキュビット・グリッド」を開発した千葉電波大学の宍戸万芳
(ししどかずよし) 教授が、著作権法違反 (楽曲の無断送信) の現行犯で逮捕された。
宍戸教授は「仮想テラキュビット・グリッド」という新しい方法を用い、
インターネットで処理を分散することにより円周率を効率的に計算するプログラム
Pnppy (ピンピー) を開発、
円周率を無限に二進数表記することに成功したが、
JASRAC
(日本音楽著作権協会) が調べたところ、
このプログラムでやりとりされている円周率の小数点以下
「e↑↑↑(29↑↑3 兆)」桁目付近(e は自然対数の底、
↑ はクヌースのタワー記法) からの数十メガバイトに
市販 CD に含まれるクリスタルキング
「大都会」のデジタルデータと完全に一致するバイナリー列を発見。
著作権者に無断で各ノードのキャッシュから誰でも自由に取り出せる状態になっていた。
このプログラムの出力はさらに JASRAC
のすべての管理楽曲の無断コピーを含んでいるとして、
被害届が出されていた。
京都府警特捜班ではコンピュータ技術に詳しいベテラン捜査員 5 人を投入し、
一年間をかけて、プリントアウトした円周率の該当桁目とクリスタルキングの
CD のデータのダンプ、
数千ページを 1 バイトずつ目で比較。 完全なコピーであることが確認されたことから、
著作物の無断送信の現行犯でユーザ数万人を一斉逮捕した。
同教授は取り調べに対し「円周率はランダムビットだからどこまでも計算していけば、
どうせいつかは著作物と同じデジタルデータが出てくることは避けられない。
避けられないことなら、後押ししてしまってもいいかな、と思った」
などと故意を認める発言もしているという。
宍戸教授のプログラムの基礎になっている
「BBP (Bailey-Borwein-Plouffe) アルゴリズム」
を公開したサイモン・プラウフ (Simon Plouffe)
氏も著作権法違反ほう助の疑いが持たれている。
千葉電波大学によると、
Pnppy はインターネット経由で接続したコンピュータの空き時間を利用し
各コンピュータに量子素子のふるまいを持たせ数万台を並列化することで、
従来型コンピュータネット上に超巨大な「量子コンピュータ」を仮想構築する画期的な技術で、
「P = NP? 問題」という数学上の大問題や人工知能の研究などで重要な意味を持つという。
JASRAC の話:
円周率はあらゆる著作権を侵害する極めて違法性の高いデータ。
教育上も問題があることから、
学校の教科書でも小数点以下の公開を中止し
「約 3」とぼかすことで権利を保護しているというのに、
大学教授が率先して侵害するとはあきれる。
「物理計算やベンチマークに役立つ」などと言い訳しているが、
実際には小数点以下何万桁もの数字が必要になることはありえず、
ほとんどすべて楽曲の無断複製のために使われているのが実情であることから訴えに踏み切った。
宍戸教授のプログラムはインターネットを通して無料で配布され
誰もが簡単に音楽を無断コピーできる状態にされており、回復不可能な被害をこうむった。
記事発表当時、まともに信じ込んだ人たちが多数いらっしゃったのは面白いですね。
さて、この記事のどこが技術的におかしいでしょう?
BBP は円周率の計算結果を検証するための方法で、
計算には 別の式 を使います。
また、千葉電波大学ホームページ
はありますが、冗談で作ったものでしょう。
世の中に迷惑をかけないかぎり、パロディー文化は大いに結構。
( 円周率に関する大嘘が好きな湯会老人 )
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