[ 0081: 発明に必要なもの ]


[ 千手春弥の考え ]

生涯に約 1300 件もの発明をしたトーマス・エディソン (1847 - 1931) の言葉を振り返ってみましょう。

Genius is one percent inspiration and 99 percent perspiration.

これを日本語訳では 「天才は 1 %のひらめきと 99 %の汗(努力)」という具合に解釈されていますが、 誤訳とはいえないものの「努力奨励主義」みたいで好きではありません。 努力の前に必要なのは「ひらめき」なのに。 むしろ、次の言葉のほうが真意をくみとりやすいでしょう。

To invent, you need a good imagination and a pile of junk.

発明に必要なのはまず優れた想像力 (創造力)。 あとは、それを実現するための試行錯誤。 「a pile of junk」というのは、ガラクタの山。 山中伸弥先生みたいに迷うだけ迷えばよろしい。

エジソンは子供の頃から定説を鵜呑みにすることはありませんでした。 「1 + 1 = 2」と教えられて反撃。1 個の粘土と 1 個の粘土を合わせると 1 個の大きい粘土になると言いました。 (核融合みたいですね)

こういう精神を持っていたからこそ、それまで誰も思いつかなかったアイデアが出ました。 音をレコード盤の溝にして「蓄音」するなど。 「奇想天外」な発明家ですね。 だれも考えもしなかったアイデアです。

なお、発明や特許は基本的・包括的なものほど強く、大特許になる可能性が高いといえます。 Texas Instruments のジャック・キルビー氏は 1958 年に半導体集積回路を発明し 2000 年にノーベル賞を受賞しました。

回路自体は非常に幼稚なものでしたが、 集積回路を作る上での原理にかかわるものであるため、大特許となりました 以降、特許の有効期限まで半導体企業各社は特許料を払い続けました。

さて、湯会老人みたいに奇想天外な記事を書き続けただけで発明に必要な「ひらめき」が得られるかどうかは疑問でしょう。 ただ定説にとらわれないという立場 (disruptive stance) は保てますね。


[ 湯会老人のコメント ]

私は小学校 1 年生のときの国語の授業で「大きい山の反対は?」という問題に対して「大きい穴」と答えました。 同級生は「大きい海」とか「小さい山」とか答えていましたが、 私は面対称を考えたわけです。不正解になりました。

私はある発明支援企業と話をしたことがありますが、 このご時世に実験装置もなく独力で発明ができるとは思っていません。 「奇想天外なホームページ」を運営しているのはボケ防止のためです。

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