[ 0092: ジュール・ベルヌの先見性 ]
ジュール・ベルヌ (1828-1905) はフランスにおいて SF の父と言われた人。
イギリスはもちろん H.G.ウェルズ (1866-1946)。
火星人襲来テーマは何度も映像化されました。
「海底二万哩 (20000 Leagues Under the Sea)」が作品としては最もポピュラーですが、
「From Earth to Moon」を読み返して驚くことがあります。
もちろん、当時の科学レベルを反映していくつかの誤りはあります。
上の画像は NASA の Apollo とベルヌの大砲式ロケットを比較したもの。
地球の引力圏を脱出するには、それなりの初速度が必要ですが、
ベルヌは巨大な大砲みたいなシステムを考えました。
これは、ちょっと無理がありますね。だいいち、加速度で宇宙飛行士はペチャンコになる。
アポロ計画で使ったように、多段式ロケットで順次加速するほうが合理的です。
月の周回軌道に乗せるには、綿密なコントロールが必要でした。
しかし、ベルヌは次のような未来予測を残しています。
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実際に月の周回軌道に宇宙船なり何なりを乗せるのは、アメリカが最初だろう。
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それにかかる費用は (1969 年でのアメリカ・ドルに換算して) 121 億ドルぐらいだろう。
実際に NASA が Apollo 8 までに費やした費用は約 141 億ドルだったそうです。
なぜこういうお金の計算ができたのか不思議。
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月の周回軌道に乗る宇宙船の乗組員は 3 名。実際に Apollo 8 でも 11 でも 3 名でした。
うーむ。感心しますね。 ( 1968 年に生まれた千手春弥 記 )
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