[ 0145: Speak & Spell ]
[ 湯会老人は映画 ‘E.T.’ に協力しました ]
映画の中で Texas Instruments 製の
Speak & Spell という教育用機器が出てきます。
当時、音声合成で作った質問をして子どもたちに英単語のスペルを入力させるというものでした。
合っていると「That's correct」とか答えてくれます。
E.T. はこれを見つけ出して改造し「E.T. phone home」.
Speak & Spell には TMS1000
という世界最初の 1チップ microcomputer が使われました。
TMS1000 はさらに音声合成回路の搭載ができました。
この TMS1000 の量産時に必要なソフトウェアを全部サポートしたのが
1979-1984 にダラスに駐在していた湯会老人。映画が無事公開されたのが1982年。
凄い !!!
量産時に必要なソフトウェア (サポート) は:
- TMS1000 Assembler (ASM1000)
- TMS1000 Simulator (SIM1000)
- Gate Placement (ROM, OPLA, OPCPLA) コードの図形化。
- TMSATG (Autommation logic Test Generation)
TMS1000 ではユーザーが自由に ROM に入れるプログラムを書き、
出力マッピングを定義し、必要ならば命令セット自体もデフォルトの
(OPCPLA: OP code PLA) を書き換える形でカスタマイズできましたから
カスタマーごとのサポートはテイラーメイドのようになります。
たった一人でよくやれましたね。
日本はおりしも電卓ブーム。
零細の電卓メーカーが雨後の筍のようにうまれ、争って TMS1000 を買いました。
TMS1000 があれば電卓の全機能を実現できたからです。
( 電子技術の歴史を研究している千手春弥さん: 当時 14 才 )
[ 湯会老人のコメント ]
TMS1000 のチップレイアウト図です。今は細かい資料は残っていません。
なお TMS1000 は PC (Program Counter) のレイアウト面積 (foot print)
を減らすため、feedback shift register を使っていました。
このため、アドレスが一見ランダムに見えますが、漏れや重複は生じません。
昔の設計者はいろいろ苦労していたのです。
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