[ 0026: 車かヤギか ]
[ 千手春弥さんの出題 ]
モンティ・ホール (Monty Hall) が司会者をつとめるアメリカのゲームショー番組:
「Let's make a deal」の中で行われたゲームのこと。
一種の心理トリックになっており、確率論から導かれる結果を説明されても、
なお納得しない人が少なくありません。
プレーヤーの前に閉まった 3 つのドアがあります。
このうち 1 つのドアの後ろには景品の新車が、
ほかの 2 つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギが控えています。
プレーヤーは新車のドアを当てると、その新車がもらえます。
プレーヤーが 1 つのドアを選択した後、司会のモンティが (そのドアを開けないまま)
残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せます。
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もし選択したドアが車のドアだとすれば、残りの 2 つのドアはいずれもヤギ。
- もし選択したドアがヤギのドアだとすれば、残りは車とヤギ。
ここでプレーヤーは、
最初に選んだドアを残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われます。
プレーヤーはドアを変更すべきでしょうか?
[ 浅見多絵さんの回答 ]
最初の時点では、どのドアについても、車の確率は 1/3 です。
しかし、
「司会のモンティが (そのドアを開けないまま)
残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せます」
の時点で確率は変動してしまいます。
そのヤギがいるドアがもともと持っていた 1/3 という確率は
「そのドアがヤギであることが新たに判明した」ことによってゼロになります。
その 1/3 という確率は消滅するわけではありません。どこかへ移動します。
では、どこへ?
それは 第 3 のドア
(選択したドアとモンティが開けたヤギのドア以外に残っている最後のドア) です。
ベイズの定理 (Bayes' Theorem) が参考になります。
ですから、第 1 のドアに車がある確率は 2/3 です。 ドアを変更すべきです。
車があたる確率が 2 倍になります。
[ 湯会老人のコメント ]
素朴な疑問があります。
モンティーがヤギのドアを開けてそのドアが持っていた 1/3 の確率を消滅させた際に、
なぜその 1/3 という確率は第3のドアのドアだけに加算されるのでしょうか?
第 1 のドア (プレイヤーに選択されたドア) と第 3 のドアの両方に平等に移る、
すなわち確率が 1/2 同士になるという考えかたもあると思うのですが。
第 1 のドアも第 3 のドアも未開封のままであるという点では同じです。
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