[ 0038: サッカーボールの形状 ]
[ 浅見多絵さんの出題 ]
サッカーボールの独特の形状は数学的に考えられたのでしょうか?
Dodecahedron (正 12 面体) よりも高度です。
[ 湯会老人の回答 ]
いえ。化学の世界から来ました。
C60 (Buckminsterfullerene: バックミンスターフラーレン) は
炭素原子を 60 個集め、球状にしたもの。 5 角形 12 個、
6 角形 20 個で構成されており、要するにサッカーボールみたいなもの。
この形状は Bucky ボールとも呼ばれています。
イギリスの科学者である Harry Kroto 氏が、1985年9月に、
アメリカのライス大学 (テキサス州) の Richard Smalley 氏と
Robert Curl 氏の協力を得て、C60 が製造可能であることを実証しました。
これは、のちに カーボンナノチューブの開発・実用化の動きにもつながってゆきます。
炭素原子それぞれに1個余った電子は、この構造の中を動いているのでしょう。
[ 南門疾矢君のコメント ]
数学の世界での正 12 面体 (dodecahedron) は教養課程の図学の授業で作図しました。
実際の化学合成できれいにできたのは近年ですが、
炭素原子と金属原子の組み合わせですから、
構造は安定していませんでした。
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