[ 0049: 「円錐山」ふたたび ]
[ 湯会老人の出題 ]
例の 「円錐山」
遊歩の際に実際に達した最高標高の計算が宿題になっていましたので、
これを求めてください。
高校の数学で解けますが、計算は面倒でしょうね。
以下は参考図です。あまり正確ではないですが。 (笑)
山頂から測地線 AB におろした垂線の足の長さ (h) と、
ついでに下り坂の長さ (x) も求めてください。
[ 南門疾矢君の回答 ]
展開図の扇型の角度は: 360° * 20/60 = 120°
余弦 (cos) 定理を使って AB (測地線 = 最短距離の経路) の長さを求めますと:
AB = sqrt(50^2 + 60^2 - 2*50*60*cos(120°))
= sqrt(9100)
= 10*sqrt(91)
山頂 (T:top) から AB に垂線 h をおろします。
A からこの地点までが上り坂になり、
垂線のところで最高標高、あとは下り坂になります。
h は次のように三角形 TAB の面積の 2 つの求め方を使えばもとめられます。
① AB * h * 1/2
② 50 * 60 * sin(120°) * 1/2
これらが同じなので、
h = 150*sqrt(3/91) = 27.24
(以下、近似値を示します)
実際の斜面の傾きを考慮に入れた最高標高は:
(60 - 27.24) * sqrt(8)/3 = 約 30.8864
なお、x (下り坂の長さ) は、 2 つできた直角三角形にそれぞれ
ピタゴラスの定理を使えば、両方にあらわれる h が消えて x が求まります。
① x^2 + h^2 = 50^2
② (AB - x)^2 + h^2 = 60^2
ここから:
(10*sqrt(91) - x)^2 - x^2 - 1100 = 0
9100 - 20*sqrt(91)*x - 1100 = 0
x = (9100-1100) / (20*sqrt(91))
= 400/sqrt(91)
= 約 41.931
けっこう計算が大変でした。
次は僕も円錐山に行ってスパイラル計算などをしよう。
念のため、検算をします。
h^2 + x^2 = 22500*3/91 + 160000/91
= 2500 (= 50^2)
OKです。一応、安心。
[ 浅見多絵さんのコメント ]
Sunny、ご苦労さま。
この問題は 1997 年に韓国でおこなわれた
CSAT (College Scholastic Ability Test) で出題された難問。
正解者はどのくらいいたのかしら。
アメリカの SAT よりもはるかにレベルが高い。
私たちも手分けして、こんな面白い問題を探しましょう。
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