[ 0061: 2つの円と直線の計算 ]
[ 西尾三奈さんの出題 ]
初めまして、疾矢さんと同じ大学で数学を勉強している
西尾三奈 (みしおみな: Look westward) です。
青天中学の皆さんにもおわかりになるよう、
センター試験の過去問からもってきました。
点 O を中心とする半径 3 の円 O と、
点 O をとおり点 P を中心とする半径 1 の円 P を考えます。
円 P の点 O における接線と円 O の交点を A, B とします。
また、円 O の周上に点 B と異なる点 C を弦 AC が円 P に接するようにとります。
弦 AC と円 P の接点を D としたとき、以下を求めてください。
(1) AP
(2) OD
(3) cos(∠OAD)
(4) AC
(5) 三角形 ABC の面積
(6) 三角形 ABC の内接円の半径
[ 広世正憲君の回答 ]
設問が豪華です。(笑)
やってみます。完食を楽しみに。
(1) AP は素直にピタゴラスの定理から:
AP = sqrt(3^2 + 1^2) = sqrt(10)
(2) OD に関しては:
AP を底辺とし高さを OD / 2 とする三角形は、
直角をはさむ 2 辺が 1 と 3 である三角形と同じ。
面積を同じとして、OD が求められます。
sqrt(10) * OD/2 * 1/2 = 1 * 3 * 1/2
OD = 6/sqrt(10) = 3*sqrt(10)/5
3*sqrt(10)/5 は 3*sqrt(2/5) と表記しても可。
(センター試験では所定の書式)
(3) cos(∠OAD) には「円錐山」の測地線の長さ
計算のように余弦 (cos) 定理がまた使えます。
cos(∠OAD) = (AD^2 + AO^2 - OD^2)/(2 * AD * AO)
= (3^2 + 3^2 - 18/5)/(2 * 3 * 3)
= (18 - 18/5)/18
= 1 - 1/5 = 4/5
cos(∠OAP) の 2 倍角としてもかまいません。
cos(∠OAD) = 2*(cos(∠OAP))^2 - 1
= 2 * (9/10) - 1
= 9/5 - 1
= 4/5
(4) AC は AB*cos(∠OAD) ですから、
AC = 6*4/5 = 24/5
(5) 三角形 ABC の面積に関しては、
まず sin(∠OAD) を使います。
sin(∠OAD) = sqrt(1 - (cos(∠OAD))^2)
= sqrt(1 - (4/5)^2)) = 3/5
したがって、三角形ABCの面積は:
AB * AC * sin(∠OAD) * 1/2
= 6 * 24/5 * 3/5 * 1/2 = 216/25
(6) 三角形 ABCの 内接円の半径を求めるには、
BC の長さを。ふたたび余弦定理を使って:
BC^2 = AB^2 + AC^2 - (2*AB*AC*(cos∠OAD))
= 6^2 + (24/5)^2 - 2*6*(24/5)*4/5
= 324/25
したがって、BC = sqrt(324/25) = 18/5
内接円の半径は:
(三角形 ABC の面積 * 2) / (3辺の和)
= 216/25 * 2 / (24/5 + 6 + 18/5)
= 6/5
さすがに、あまり細かい端数がでない工夫がありましたね。
[ 西尾三奈さんのコメント ]
驚きました。完答とはすごい !!!
中学 1 年生でセンター試験を。次はもっと難しいのを出しますね。
こんど、学食で完食させてあげましょう。グルメはないけど、思う存分。
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