[ 0076: 0075の再チャレンジ ]
[ 浅見多絵さんの回答 ]
図のように相似な二等辺三角形が一辺を共有する形で接しています。
AとDの面積比が 9 : 1 であるとき、cos(α) を求めてください。
...という問題でしたが、私自身が題意を勘違いしていましたので、
自分で解くことにいたします。
大きい二等辺三角形の 2 つの長辺を PQ = PR = aとし、
底辺を QR = bとします。
小さい二等辺三角形の 2 つの長辺は QR = QS = b、
底辺は相似性から RS = b*b/a になります。さらに QT = c とします。
領域 A の面積は:
a^2*sin(α)*c/b になります。
領域 D の面積は:
b^2/a*(b-c)*sin(90°-α/2) になりますね。
それぞれの面積式を少し変形しますと:
A: 2*a^2*c/b*cos(α/2)
D: b^2/a*(b-c)*cos(α/2)
さらに b=2*a*sin(α/2)
b^2/a = 4*a*sin(α/2)^2
cos(α) を直接求めるより sin(α/2) を持ち込むしかありません。
ごちゃごちゃしていますが...
あとで、ちょっと見直してみますね。どこで c が消えるか。
最後はここにたどり着くはずです。
A/D = 9 = a^2/16a^2/(sin(α/2))^4
すなわち: (sin(α/2))^4 = 1/(9*16) = 1/144
sin(α/2) = 1/(2*sqrt(3))
最後は 2 倍角の公式を使って:
cos(α) = 1 - 2*sin(α/2)^2 = 1 - 2*(1/12)
= 5/6
かなりキツかったですね。
コサイン(cosine) を求めなさいというから
3 辺の長さから余弦定理という先入観がありましたが、
実際には半角のサインが必要でした。
[ 湯会老人のコメント ]
多絵さん、ご苦労さま。式の整理が大変だったでしょう。
私は最終的に sin(α/2))^4 が出てきたのには驚きました。
ところで不気味な c はどこに消えたのでしょう?
b が次々と a に置き換えられたのはドラマチックですが。
疾矢君にもやらせてみようかな。
[ 千手春弥さんのコメント ]
私は多絵さんが見落としている点があると思います。
角度から考えますと PQ と RSは平行で、 D の領域は二等辺三角形ではないかと。
そうしますと:
■ TR = b^2/a^2
■ QT = b - b^2/a^2
■ ∠PQR = 90°- α/2
sin(90°- α/2) = cos(α/2) ですから:
領域 A の面積は:
a * (b - b^2/a^2) * cos(α/2) * 1/2
領域 D の面積は:
b^2/a^2 * b^2/a * cos(α/2) * 1/2
b = 2*a*sin(α/2) および
b^2/a = 4*a*sin(α/2)^2 を使い、
式を見やすくするため sin(α/2) を x と書きます。
A/D = 9
= a*(2*a^2*x - 4*a*x^2) /
(4*x^2 * 4*a*x^2)
おかしいですね。 a が消え残っています。
もうちょっと式と計算をチェックしてみます。
多絵がごまかして (?) 書いたのが正しければ
x = 1/(2*sqrt(3)) になるはずですが...
[ 湯会老人のコメント ]
皆さん、そんな煩雑なことはやらなくていいのです。よく考えてみれば。
既にわかっていることは:
■ 領域 A と D は相似 (similar) で面積比は 9 : 1。
■ すなわち対応する辺の長さの比は 3 : 1。
PQ = a
RS = b^2/a
PQ/RS = 3/1
b = 2*a*sin(α/2)
-- これを使えば b が消えます。
したがって:
a/(b^2/a) = a^2/b^2 = a^2/(2*a*sin(α/2))^2
= 1/4*sin(α/2)^2
これが 3 ですから: sin(α/2)^2 = 1/12
sin(α/2) = 1/(2*sqrt(3)) ⇒ あとは同じ。
これだけです。
相似でなければ 2 辺の長さとそれに挟まれる角度を考える必要がありますが、
相似であれば面積計算は不要です。固定観念や思い込みにとらわれてはいけません。
[ 浅見多絵さんのコメント ]
なるほど。よくわかりました。
ものごとはできるだけシンプルに攻めたほうがいいですね。
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