[ 0078: cos(α)を求める ]
[ 湯会老人の出題 ]
最近、円がからんだ問題が多いですが、円は円 (まどか) さん。
青天中学の早乙女円先生 (さおとめまどか: 美術担当) を思わせますね。
図のように長方形の中に半円があり、
長方形の頂点 D から半円に引いた接点がU。
D と U を通る線分 DE は n 等分 されていて、
n の値はわかりません。
線分 DE 上のキザミに乗った点から半円に引いた接点を T とします。
このとき、次の式を証明してください。
cos(α) = (n^2 - 5*n + 5) / (n^2 - 3*n + 3)
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皆さん、お休みだったら、しばらく待ちます。
[ 大宙乗児君の回答 ]
トライします。
まず、 AB を半径とする半円の中心から T, U に引いた長さは半径。
さらに頂点 D から見ると、 DU = AD (= BC)、
さらに T および U を α からみると
n*x - 2*x (それぞれ目盛りを 2 つ引いています。)
以上から:
まず、ピタゴラスの定理を使って
DC^2 = DE^2 - CE^2
= (n*x)^2 - (n*x-2*x)^2
ここで三角関数の出番。
tan(α/2) = x*sqrt(n-1)/(x*(n-2)) =
sqrt(n-1)/(n-2)
えーい、倍角に行ってしまえ。
tan(α/2)
= 2*tan(α) / (1 - tan(α))^2
= 2 * (sqrt(n-1)/(n-2)) / (1 - sqrt(n-1)/(n-2))^2
どうも式が簡単になりそうにないから、
sqrt(n-1)/(n-2) = a と置きましょう。
tan2(α/2)^2 = (1 - cos(α)) / (1 + cos(α))
それで a = (1 - 2*a/(1 - a^2))
上式を解くと a = 1 + sqrt(2)。
それで、 tan(α/2)^2 = 1 + sqrt(2)
これは n を残した式にならないし、 tan(α/2) からどうやって
cos(α) に (楽に) たどりつけばいいのだろう。
どなたか、ヘルプ。 n の多項式 (の分数) が正解なんですが。
[ 西尾三奈さんのコメント ]
いいところまで行っていますね。
三角関数の sec を使ってみましょうか。
1 + tan(x)^2 = sec(x)^2 です。
(sec(α/2))^2 = 1 + (n - 1)/(n - 2)^2
= (n^2 - 4*n + 4 + n - 1)/(n - 2)^2
= (n^2 - 3*n + 3)/(n^2 - 4*n + 4) ですね。
だいぶ、回り道しましたけど、ずばり:
cos(α) = (n^2 - 5*n + 5)/(n^2 - 3*n + 3)
を導出してみてください。
私は明日東京に戻ります。カラオケバトルが楽しみ。 (笑)
[ 南門疾矢君のコメント ]
まず、 tan(α/2) から tan(α) を求めてみましょう。
tan(α) = 2*tan(α/2)/(1-tan(α/2)^2)
両辺を 2 乗しましょうか。
tan(α)^2 = (2*tan(α/2)/(1-tan(α/2)^2))^2
cos(α)^2 = 1/(1+tan(α)) だからです。
もうちょっと考えてみます。
[ 湯会老人のコメント ]
三奈さん、もう一息。sec は cos の逆数
ですから、あとは楽。
sec(α/2)^2 = (n^2 - 3*n + 3)/(n^2 - 4*n + 4)
逆数にします。
cos(α/2)^2 = (n^2 - 4*n + 4)/(n^2 - 3*n + 3)
倍角の公式、すなわち cos(α) = 2*cos(α/2)^2 - 1 を使って:
cos(α) = 2*(n^2-4*n+4)/(n^2-3*n+3) - 1
= (2*n^2-8*n+8 - n^2+3*n-3)/(n^2-3*n+3)
= (n^2-5*n+5)/(n^2-3*n+3)
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できました。
[ 西尾三奈さんのコメント ]
湯会老人、ありがとうございます。こんなの朝メシ前ですか?
[ 湯会老人のコメント ]
いえ、晩メシ前に酒を飲みながら。
疾矢君にもときどき酒をおごってあげてください。
夜更けの 10 次乗和 (10 時情話) のあとでも。
なんでもかんでも朝メシ前と豪語しているんだから、
おやすみの前にもスラスラできるはず。 (笑)
[ 浅見多絵さんのコメント ]
不思議ですねえ。 n は自然数ですから cos(α) は計算すると正の有理数。
なぜいろんな三角関数を経て結果が有理数になるんでしょう?
[ 湯会老人のコメント ]
多絵さん、3 つの辺が全部有理数である三角形はいくらでもありますよ。
たとえばピタゴラス数で成り立つ直角三角形とか正三角形が典型。
内角は余弦定理とか逆三角関数で求めますから有理数になるとは限りません。
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