Math Battle [ 0101: 線長の比から意外な値が ]

[ 0101: 線長の比から意外な値が ]


[ 湯会老人の出題 ]

久しぶりに幾何学の問題。
下図のように正方形の中に半円があり、その周上に点 P があります。 正方形の右下隅と P、右上隅と P を結ぶ線分をそれぞれ m と n とします。 m / n の最大値とそのときの P の座標を求めてください。

私は既に海外サイトに解答を送りました。


[ 西尾三奈さんの回答 ]

湯会老人がお好きな数学上の値でしょうね。
式を見やすくするため次のようにします。

 ■ 半円の半径を 1、中心を (0, 0)
 ■ 右上隅と右下隅をそれぞれ点 A と点 B。
 ■ 点 A と点 B の座標はそれぞれ (2, 1) と (2, -1)
 ■ 点 P は半円の中心から見て a の角度。
 ■ a の範囲は (-π / 2 < a < π / 2)

m / n は次の式で表されます。

sqrt((2-cos(a))^2+(-1-sin(a))^2) / sqrt((2-cos(a))^2+(1-sin(a))^2)

a を横軸に、m / n を縦軸にしたグラフは:

m / nの最大値が 1.6 あたりになります。この辺でピンときますね。

m / n の式を a で微分するのは記述が煩雑ですので省略します。
m / n の極大値とそのときの a を 厳密に計算 しますと:

a = 2*arctan(1/sqrt(5)) のとき m / n = (1+sqrt(5)) / 2
なんと 黄金比 (約 1.618) が出てきました。

a は約 48.19 度。
点Pの座標は (2/3, sqrt(5)/3)
m = PB = 約 2.196
n = PA = 約 1.357

検算しますと m / n = 約 1.618 ですね。
湯会老人、これでいいですか?


[ 湯会老人のコメント ]

三奈さん、模範解答です。文句なし。
海外サイトでは珍答がありましたが。

m / n は a = 0 では 1,大きくするには P が第1象限にある必要がありますが、 m が大きくなるものの、 n がどこかで極小になって、そこをはずれると大きくなります。

黄金比を見つけたのは、たいしたものです。 さすが歌う数学科ですね。


[ 広世正憲君のコメント ]

このときの三角形 PAB が直角三角形だと 「黄金比とピタゴラスの融合」になって面白いのですが、 計算すると鋭角三角形でした。∠APB は 63.45° ぐらいになります。

各辺の長さが順に 1.618 倍になる三角形はペチャンコになって、 美しくもなんともないですね。


[ 浅見多絵さんのコメント ]

あはは、正憲君。発想がだんだん奇想天外になってきてるみたい。

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