[ 0110: 桶狭間の円部隊の半径数列 ]
[ 南門疾矢君の出題 ]
図のように正方形 (1 辺が 1) の中に四分円 (quarter circle) が
1 個と半円 (semi circle) が 2 個あり、
これらに挟まれた円系列 (半径は順に r1, r2, r3...) があります。
とりあえず r1 を求めてください。
正方形の左下隅の座標原点 (0, 0) とし、
r1 の円の中心を (x, y) とします。
なお、鉄砲を使ってはいけません。槍の作法で解いてください。
[ 西尾三奈さんの回答 ]
図からだいたいわかります。すべてピタゴラスの定理の応用
(2 点間の距離計算) ですね。
式 ①: (0.5 + r1)^2 = (0.5 -x)^2 + y^2 |
線分 2 から得られます。 |
式 ②: (0.5 - r1)^2 = x^2 + (y-0.5)^2 |
線分 3 から得られます。 |
式 ③: (1 - r1)^2 = (1-x)^2 + y^2 |
線分 1 から得られます。 |
■ 式 ① から式 ② を引いて: 2*r1 = y - x
■ 式 ① から式 ③ を引いて: x = 3*r1
これから: x = 3*r1, y = 5*r1
式 ③ に代入しますと:
(1-r1)^2 = (1-3*r1)^2 + (5*r1)^2
すなわち: r1*(33*r1 - 4) = 0
この解は (0 を除外して):
r1 = 4/33 でした。
ついでですが、中心座標は (4/11, 20/33) です。
手計算が面倒であれば狼羊さん (Wolfam|Alpha) に 改行なしで:
(0.5 + r)^2 = (0.5 -x)^2 + y^2;
(0.5 - r)^2 = x^2 + (y-0.5)^2;
(1 - r)^2 = (1-x)^2 + y^2; solve x, y, r
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と入力すれば連立方程式を x, y, r に関して解いてくれます。
(マズいことを言ってしまったかな。笑)
[ 湯会老人のコメント ]
検算しましたが、三奈さんの回答は正解です。
次は r2 を求めてください。この値を d2 と呼ぶことにしましょう。(笑)
[ 西尾三奈さんのコメント ]
r2 以降の場合は円が左サイドの半円に内接しませんから、
式2 の代わりに直前の円との中心間距離の式を使う必要があります。
したがって、それぞれの円の半径だけでなく中心座標も含めて計算を続けることになります。
プログラムを書くか Wolfram|Alpha でどんどんやってゆくか。
(0294 に似た問題がアップされましたね)
実際にどういう手を使ったかはとりあえず秘密にして、
サクサクと計算した結果:
r1 = 4/33
r2 = 4/57
r3 = 4/89
r4 = 4/129
r5 = 4/177
...
が得られました。分子は全部 4、
分母は 2 階差分 をとれば 8。
ということは分母は 2 次式ですから
rn = a*n2 + b*n + c とします。
これに n=1 で 33, n=2 で 57、 n=3 で 89 を代入して:
a + b + c = 33
4*a + 2*b + c = 57
9*a + 3*b + c = 89
上記の連立1次方程式を解きますと:
a = 4, b = 12, c = 17
以上まとめて
rn = 4/(4*n2 + 12*n + 17)
が一般式です。
n に対して r の値をプロットしたグラフは以下のとおりです。
湯会老人、薔薇の花束をください。約束どおり。
[ 南門疾矢君のコメント ]
うーむ、流石 (さすが) です。r の一般式まで求めるとは !!!
狼羊さんは計算の考えかたがわかって使う場合は合法とします。
皆さん、よく使ってますし。
今後も双水執流体術の技で超難問をズバズバ解くことを期待します。
(僕に技を仕掛けないでね。笑)
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