Math Battle [ 0119: 奇怪な数列: 5項目は? ]

[ 0119: 奇怪な数列: 5項目は? ]


[ 湯会老人の出題 ]

1 項目から 4 項目までが 1,3,5,7 であるとします。
5 項目は何でしょう? と聞かれると、常識的には 9 ですね。
ところが 217341 になるという奇怪な数列もあるのです。
だれが思いついたかは知りませんが。

次の Perl スクリプトで確認してみてください。

#!/usr/local/bin/perl

for ($n=1; $n<=10; $n++) {
 $v = (18111/2)*($n**4) - 90555*($n**3)
  + (633885/2)*($n**2) - 452773*$n + 217331;
 printf("%d\n", $v);
}

結果は:

 1
 3
 5
 7
 217341
 1086671
 3259993
 7606635
 15213257
 27383851

という感じになります。4次関数ではこういうことはありえますね。


[ 広世正憲君のコメント ]

f(n) = a*n^4 + b*n^3 + c*n^2 + d^n + e という4次関数を考えてみます。

 f(1) = a + b + c + d + e = 1
 f(2) = 16*a + 8*b + 4*c + 2*d + e = 3
 f(3) = 81*a + 27*b + 9*c + 3*d + e = 5
 f(4) = 256*a + 64*b + 16*c + 4*d + e = 7

変数が 5 個に対して式が 4 個しかありませんが、これを解きますと:

 b = -10*a
 c = 35*a
 d = 2-50*a
 e = 24*a -1

a は任意ですので、a = 18111/2 としますと:

 b = -90555
 c = 633885/2
 d = -452773
 e = 217331

になります。不思議でもなんでもありません。


[ 大宙乗児君のコメント ]

なるほどなあ。

じゃあ、試しに a=1 にしまして:
f(n) = n^4 - 10*n^3 + 35*n^2 - 48*n + 23

f(5) = 625 - 1250 + 875 - 48 + 23 = 225

これではダメでした。正攻法で次の式からaを求めましょう。

f(5) = a*625+(-10*a)*125+35*a*25+(2-50*a)*5+24*a-1
= 217341

これを解きますと、解は a=18111/2 でキマリですね。あとは:
 b = -90555
 c = 633885/2
 d = -452773
 e = 217331


[ 西尾三奈さんのコメント ]

正憲君も乗児君も中学生とは思えない。
センスが良くて即答力が強くなってきましたね。
本郷に来なさい。おねえさんがお寿司屋さんに連れてってあげる。

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