[ 0131: 円の中の2個の正三角形 ]
[ 千手春弥さんの出題 ]
図に示すように円の中に 2 個の正三角形があり、これらは一個の頂点を共有しています。
他の頂点はすべて円周上にあります。円の半径は r とします。
このとき
a^2 + a*b + b^2 = 3*r^2
であることを示してください。
[ 湯会老人の回答 ]
前回、(私を含めて) 間違った回答やコメントがいろいろあり、
読者の皆さんを混乱させたお詫びをかねて、
正解をあらためて書き直すことにします。
円周上にある正三角形の頂点を P, Q (上側の正三角形)
および R, S (下側の正三角形) とします。
錯角 (60°) が同じであることから、辺 PQ と辺 RS は平行です。
4点 P, Q, R, S の座標を以下のようにしても一般性を失いません。
P (-b/2, b*sqrt(3)/2)
Q ( b/2, b*sqrt(3)/2)
R (-a/2, -a*sqrt(3)/2)
S ( a/2, -a*sqrt(3)/2)
三角形 PQR の外接円の半径 r は
∠PQR (=60°) と辺長 PR から求められます。
r = PR/(2*sin(60°))
ここで、PR は: (計算がやや煩雑ですが)
PR
= sqrt(((a+b)*sqrt(3)/2)^2+((a-b)/2)^2)
= sqrt(a^2 + a*b + b^2)
したがって r は:
r = PR/(2*sin(60°))
= sqrt(a^2 + a*b + b^2)/sqrt(3)
両辺を 2 乗すると:
r^2 = (a^2 + a*b + b^2)/3
すなわち:
a^2 + a*b + b^2 = 3*r^2
できました。
全部余弦定理を使う方法もあります。
正三角形同士が頭を接する点を X としますと、∠PXR=120°。
三角形 PXR に関する余弦定理から:
a^2 + b^2 - PR^2 = 2*(-1/2)*a*b
すなわち: PR^2 = a^2 + a*b + b^2
次に三角形PORにおいて:
円周角(60°)に対する中心角PORは120°ですから、
r^2 + r^2 - PR^2 = 2*(-1/2)*r*r
これに先ほど求めた PR^2 を使って:
PR^2 = a^2 + a*b + b^2 = 3*r^2
としてもいいです。このほうが計算が楽かな。
[ 西尾三奈さんのコメント ]
なるほど、言われてみれは納得。
a と b と含んだ PR を求めれば、あとは外接円の半径を求めるなり、
半径がわかっているとして余弦定理を使うなりして
最後の等式が導き出せることには気がつきませんでした。
[ 大宙乗児君のコメント ]
余弦定理の使いかたがおかしかったですね。
だれが QOR = 120° なんて言い出したのだろう?(笑い)
[ 千手春弥さんのコメント ]
私は結局からかってなんていませんでした。湯会老人に謝謝。
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