[ 0139: 積み重ねた半円の面積 ]
[ 三方万理先生の出題 ]
図のように 6 個の半円が 3 段に積み重なっています。
この状態で A の面積と B の面積が同じであることを証明してください。
[ 大宙乗児君の回答 ]
これはピタゴラスの時代にすでにわかっていたことだと思います。
下の段の半円3個の半径を左から順に r1, r2, r3。
中段の半円2個の半径を左から順に r4, r5 最上段の半円の半径を r6 とします。
まず r1, r2, r3 の関係ですが、
これら 3 個の半円の共通接線と中心を通る線の交点をイメージしますと、
3 個の相似な直角三角形が 1 頂点と 2 辺 (およびその延長)
を共有していることがわかります。
半径を含んだ比の計算から
r2 は r1とr3の相乗平均で表せます。
したがって:
r2 = sqrt(r1*r3)
同様に:
r4 = sqrt(r1*r2)
r5 = sqrt(r2*r3)
r6 = sqrt(r4*r5) = sqrt(r2*sqrt(r1*r3))
= sqrt(r2^2) = r2
A の部分の半径 (r2) と B の部分の半径が同じことがわかりましたので、
面積も等しくなります。
[ 大宙麗亜ちゃんのコメント ]
おにいちゃんが「r2 は r1 と r3 の相乗平均」
と言い切りましたので、妹の私が補足します。
図は正確ではありません。
下の段の 3 個の半円の中心を貫通する線と 3 個の半円の共通接線の交点を考えます。
相似な直角三角形が 3 個できますから、辺の関係から:
a/r1 = (a+r1+r2)/r2 = (a+r1+2*r2+r3)/r3
まず a/r1 = (a+r1+r2)/r2 から:
r2*a = r1*(a+r1+r2)
(r2-r1)*a = r1*(r1+r2)
したがって:
a = r1*(r1+r2)/(r2-r1)
(a+r1+r2)/r2 = (a+r1+2*r2+r3)/r3 に a を代入して:
(r1*(r1+r2)/(r2-r1)+r1+r2)/r2) =
(r1*(r1+r2)/(r2-r1)+r1+2*r2+r3))/r3
式が煩雑ですが最終的に:
(r2^2-r1*r3)/(r3*(r1-r2)) = 0 すなわち:
r2 = sqrt(r1*r3) が得られます。
r2 は r1 と r3 の 相乗平均 です。
この考えかたは半円 (お餅?) を並べて重ねる際にも応用できます。
[ 丘品花志先生のコメント ]
レイアちゃん、そのとおり。よく乗児君をフォローしてくれました。
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