[ 0177: 0069再考 ]
[ 湯会老人の回答 ]
0069
で答えていただいた 多絵さんの回答が不完全でしたから、
もう少し考えてみましょう。
出題はこうでした。
ある老人 (たとえば湯会老人) がこの世の使命を終えて、
2 つの扉の前にたどり着きました。
一つは天国へ、もう一つは地獄へ。
そこには番人が 2 人いて、一人は正直であり、もう一人は嘘つきであることが
あらかじめ知らされていましたが、どちらがどちらかまでは不明です。
どちらにでもいいから片方の番人にたった 1 問質問することだけが
許されています。
老人はどういう質問をすれば、めでたく天国へ行けるのでしょうか?
[ 西尾三奈さんの回答 ]
湯会老人は、どちらかの扉を指さし、どちらかの番人に:
「お隣の番人さんにこの扉が天国への扉ですかと聞いて
答が得られたとしたら、それはその番人さんにとって正しい答ですか?」
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と聞きます。
場合分けしてみましょう。
さした扉 | 隣の番人 | 答 | 相手の番人 | 答 |
天国 | 正直 | Yes | 嘘つき |
No |
天国 | 嘘つき | No | 正直 |
No |
地獄 | 正直 | No | 嘘つき |
Yes |
地獄 | 嘘つき | Yes | 正直 |
Yes |
要するに:
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隣の番人は正直か嘘つきかに応じて本当のことか嘘かを言います。
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直接聞いた番人が正直な場合、隣の番人 (嘘つき) の答を
「嘘つきは嘘を言う」という立場でそのまま認めます。
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直接聞いた番人が嘘つきな場合、隣の番人 (正直) の答を否定します。
以上を総合すると、No という答が返ってくれば湯会老人が指した扉が天国への扉。
Yesという答が返ってくれば反対の扉が天国への扉ということになります。
[ 湯会老人のコメント ]
三奈さん、ありがとうございます。そのとおりですね。
「それはその番人さんにとって正しい答ですか?」というのがポイントです。
直接聞いた番人にとって正しい答だとすると、上記の一覧表の意図は破綻します。
たとえば、たまたま地獄の扉を指し、たまたま正直な番人に聞いた場合、
隣の嘘つきの番人は Yes と答えます。
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直接聞いた番人にとって嘘つきの番人の答が正しい答かどうかというと No。
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ただし嘘つきの番人が嘘つきであることを踏まえて答えると Yes。
というわけです。
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