Math Battle [ 0291: 3個のオタマジャクシ ]

[ 0291: 3個のオタマジャクシ ]


[ 星楊令さんの出題 ]

図のように一辺の長さが 1 の正三角形の内部の点から各辺に垂線をおろして
各辺を 2 分割し、半円によって 3 個のオタマジャクシのような図形を作ります。
これは 0169 の陰陽 (Yin Yang) 図形のようなものです。

これら 3 個のオタマジャクシの面積の合計を求めてください。


[ 広世正憲君の回答 ]

まともに座標計算をすると煩雑になりますから、
次の図のように決めた長さを使います。

辺 BC, CA, AB をもとにできたオタマジャクシの面積を
S1, S2, S3 とします。

S1 = (π/8)*(1 + a1^2 - (1 - a1)^2)
= (π/8)*(2*a1)
= (π/4)*a1

同様に:
S2 = (π/4)*b1, S3 = (π/4)*c1

S1 + S2 + S3 = (π/4)*(a1 + b1 + c1) -- ①

PA を共有する 2 個の直角三角形において:
c1^2 + h3^2 = (1 - b1)^2 + h2^2 -- ②
同様に:
a1^2 + h1^2 = (1 - c1)^2 + h3^2 -- ③
b1^2 + h2^2 = (1 - a1)^2 + h1^2 -- ④

② + ③ + ④ から
a1^2,b1^2,c1^2,h1^2,h2^2,h3^3 が消えて:

0 = 3 - 2*(a1 + b1 + c1)
a1 + b1 + c1 = 3/2

これを ① に代入して
S1 + S2 + S3 = (3/8)*π

P が ABC 内のどこにあっても同じ値になります。


[ 星楊令さんのコメント ]

正憲君、正解です。
同じ辺を共有する直角三角形のペアにピタゴラスの定理を使って
一巡したのがよかったですね。
気がつきにくい盲点です。


[ 乗児君のコメント ]

僕はあえて座標計算をしてみました。

A,B,C,P の座標をそれぞれ
A (1/2, sqrt(3)/2)
B (0, 0)
C (1, 0)
P (p, q)
とします。

まず
a1 = p

E は y = (sqrt(3)/3)*(x - p) + q; y = -sqrt(3)*(x - 1)
の交点なので
Ex = (1/4)*(p - sqrt(3)*q + 3)
したがって
b1 = (1 - Ex)*2
= (1/2)*(-p + sqrt(3)*q + 1)

F は y = -(sqrt(3)/3)*(x - p) + q; y = sqrt(3)*x
の交点なので
Fx = (1/4)*(p + sqrt(3)*q)
したがって
c1 = (1/2 - Fx)*2
= (1/2)*(-p - sqrt(3)*q + 2)

a1 + b1 + c1
= (1/2)*(2*p-p+sqrt(3)*q+1-p-sqrt(3)*q+2)
= 3/2

(a1 + b1 + c1) は p,q の値にかかわりなく
3/2 です。あとは正憲君の回答と同様。


[ 星楊令さんのコメント ]

乗児君、お疲れさま。

b1, c1 を求めるにあたっては X 座標の差を 2 倍すればよかったわけですね。
平方根計算の必要はありませんでした。

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