[ 0297: 最近の主な記事改訂 ]
[ 湯会老人からのお知らせ ]
過去の記事の内容に関しては:
内容の正しさだけでなく、誤字脱字の有無、文章の読みやすさ、
記事レイアウトの美的バランスに至るまで随時チェックをしておりまして、
訂正が必要であればそのつど改訂しています。
これまで単純なミスがいろいろありました。直径を半径と書き間違えたり。
(せきめんかんがん = 赤面汗顔、アカメンアセガン。すなわち「汗」)
苦情やお叱りのメールを頂かなかったのが不思議です。
ごく最近の記事改訂で主なものは:
0110 (三奈さん)
記事のタイトルを「桶狭間の円部隊の半径数列」に変え、
疾矢君が:
「鉄砲や矢を使ってはいけません。
槍の作法 で解いてください」
という付帯条件を出しました。
素直な三奈さんは疾矢君の意図を潔く受け入れ、
時系列はズレるものの秀吉の武臣である「賤ヶ岳の七本槍」ならぬ
三本槍による逐次計算に打って出ました。
言葉どおり、まさしく 3 本の槍で円の中心を串刺しします。
入試でもこういう示唆的な注意書きがあればまず大笑いし、
それから真意に思い至って問題の本質が見え、
みごと正解する「暗示に乗りやすい」受験生があらわれるかも。
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(x, y) r に関する 3 元 2 次連立方程式は
記事公開時点では筆算で執念深く解いたとのことですが、
今週 0294 に影響されて
全部 Wolfram|Alpha で検算をし直したとのこと。
rn = 4 / (4*n2 + 12*n + 17)
という一般式の求めかたですが、r をいくつか求めた結果
分子はつねに 4、分母は比較的急速な単調増大でした。
一般的に、2 階差分で同じ値が出れば 2 次式 (係数 3 個)、
3 階差分で同じ値が出れば 3 次式 (係数 4 個) です。
この問題の場合は分母の 2 階差分で同じ値 (8) が連続で出ましたので、
分母は 2 次式。係数についての 3 元 1 次連立方程式を
最初の 3 個の (n, r) ペアを代入した形で立て、
これを解いて最終的な n に関する 2 次式を得ました。
血湧き肉踊る「槍の芸」。これぞ Math Battle。
0105 (湯会老人)
Finbonacci 数列の一般項である
f(n) = (an-bn) / sqrt(5)
の導きかたについての詳細な説明を追加しました。
手品のような式操作の「芸」です。
ビネの公式 と呼ばれています。
1843 年にビネ (Jacques Philippe Marie Binet) が発表しました。
無理数のカタマリ式 (無理数の n 乗同士の差をさらに無理数で割る)
という荒技計算の結果がきわめて美しい自然数数列になるわけですから、
こんなに愉しく不思議なことはありません。
ついでに n = 1, 2, 3, 4, 5, 6, ... に対して
この一般式を Wolfram|Alpha で計算させる方法もご紹介しました。
この一般式が正しいかどうかを確認するには、Wolfram|Alpha
にたとえば次のように入力してみてください。
(a^n-b^n)/sqrt(5);a=(1+sqrt(5))/2;b=(1-sqrt(5))/2;n=6
この場合は f(6) (すなわち n=6) ですから、結果は 8 になるはずです。
n に任意の自然数を指定していろいろ試してください。
f(n) = (an-bn)/sqrt(5)
の計算結果が自然数になるのは不思議なようですが、代数的に証明したとおりです。
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Fibobacci Spiral を茶化したものとして Trump Spiral という画像があります。
これら以外にも、恥ずかしいような単純書き間違いの訂正をやっています。
見逃しがないように、お気づきの点は代表メールアドレス
smoothoperator.math.1984@gmail.com
までご一報いただければ幸いです。
[ 浅見多絵さんのコメント ]
三奈ちゃんは、思い切って割り切るところがあるかと思えば意外に律儀だから、
疾矢君の「鉄砲禁止令」を真に受けつつ
「賤ヶ岳の七本槍」を「三本槍」に精鋭化してみごと勝利をおさめたのかな。
Math Battle を「軍記」風にアレンジするのも一興とぞおぼゆ。
今日は大杯で菊正宗。
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