Math Battle [ 0317: 円の中の円と n 個の正方形 ]

[ 0317: 円の中の円と n 個の正方形 ]


[ 三方万理先生の出題 ]

0288 の一般化です。

図で示すように大きい円の中に小さい円と正方形 n 個の列がきっちり詰まっています。
小さい円の直径と正方形列の幅は同じです。 (図は n = 2 の場合)

このとき tan(∠ACB) の値を n の関数としてあらわしグラフを描いてください。


[ 大宙麗亜ちゃんのつぶやき ]

大円の半径を R、それに内接する小円の半径を r、
大円の中心 O から正方形列の上辺までの距離を d とします。

円周角と中心角の関係から考えて:
tan(∠ACB) = r/d になりますね。

それから:
R^2 = r^2 + (d + 2*r/n)^2
さらに d = -R + 2*r

これらを使えばいいのではないかな?


[ 広世正憲君の回答 ]

まず次のように決めます。

R 大円の半径
r 小円の半径
d 大円の中心と正方形列の上辺の距離

円周角と中心角の関係から:
tan(∠ACB) = r/d (レイアちゃんが言うとおり)
であることがわかります。

正方形列の高さは 2*r/n ですね。
ここで初めて n が登場します。

レイアちゃんが言うとおり d = -R + 2*r

さらに:
R^2 = r^2 + (d + 2*r/n)^2

R^2 = r^2 + (-R + (2*(n+1)/n)*r)^2
R^2 = r^2 + R^2 - (4*(n+1)/n)*R*r + (4*(n+1)^2/n^2)*r^2

R^2 が消えて:
0 = (1 + (4*(n+1)^2/n^2))*r^2 - (4*(n+1)/n)*R*r
0 = ((5*n^2 * 8*n + 4)/n^2)*r^2- (4*(n+1)/n)*R*r

(4*(n+1)/n)*R = ((5*n^2 + 8*n + 4)/n^2)*r
R = ((5*n^2 +8*n + 4)/(4n^2 + 4*n))*r

d = -((5*n^2 + 8*n + 4)/(4*n^2 + 4*n))*r + 2*r
= ((8*n^2 + 8*n - 5*n^2 - 8*n - 4)/(4*n^2 + 4*n))*r
= ((3*n^2 - 4)/(4*n^2 + 4*n))*r

以上から:
tan(∠ACB) = r/d
= 4*n*(n + 1)/(3*n^2 - 4)

グラフは以下のとおりです。

n = 1 のとき -8 で n = 2 のとき 3 です。
n が無限大になると 4/3 に収束します。

これでいいでしょうか?


[ 三方万理先生のコメント ]

正憲君、正解です。

n の多項式に持ち込んだあと計算ミスをしなかったのはサスガです。
次はもっと難しい問題を出します。


[ 湯会老人のコメント ]

n を自然数でなく実数とあつかうと、
この関数は n = sqrt(4/3) で ± 無限大に達するスパイクを生じます。 グラフのとおりです。

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