[ 0341: 正三角形の中の3個の円 ]
[ 星楊令さん (star ghost) の出題 ]
湯会老人が新しい数学記事のネタに悩んでおられるようでしたので、
また突然登場しました。
図のように正三角形の中に 3 個の全く同じ大きさの円が
互いに接しつつピッタリとはいっています。
このとき、3個の円 (青) の面積総和は正三角形の面積の何%ぐらいになりますか?
[ 浅見多絵さんの回答 ]
うん、これならわかる。
円を詰め込む問題でも 0289 や
0290 みたいに難しくないから。
正三角形の辺長を a、各円の半径を r としますと、下の図解のとおり。
(2*sqrt(3) + 2)*r = a
したがって:
r = (1/(2*sqrt(3) + 2))*a
3個の円の面積総和は:
3*pi*r^2
≈ 0.31567*a^2
正三角形の面積は:
(1/2)*a*(sqrt(3)/2)*a
= (sqrt(3)/4)*a^2
≈ 0.43301*a^2
占有率は:
だいたい 0.31567 / 0.43301
≈ 72.90%
[ 星楊令さんのコメント ]
ありがとうございます。
少し物足りなかったですか?
それでは下の図のように:
正三角形の各頂点に向かって無限個の内接円群を追加し
これらも円の面積総和に追加すると、どれだけ大勢に影響するか
計算してみてください。
[ 大宙麗亜ちゃんのコメント ]
ちょっと計算してみました。
追加するコーナー内接円群の半径は:
公比 1/3 の等比数列になります。
面積でいえば 1/9。
無限和をとっても大勢に大きな影響は出ませんね。
最初の円それぞれを含んで 3 方向に進む面積 1/9 倍ごとの円系列と考えますと
面積総和は最初の円の面積 (初期値) の 1 / (1 - (1/9)) = 9/8 倍になります。
すなわち、増えるのは 12.5% ですね。
最初の円の面積総和が劣勢で、
あとから湧いて出た別の円群で逆転すれば面白かったのに。 (笑)
[ 浅見多絵さんのコメント ]
レイアちゃん、
なぜ「半径数列の公比が 1/3」ということが
わかったの?
[ 大宙麗亜ちゃんのコメント ]
下の図のように 30°:60°:90° の直角三角形の辺の比が 1 : sqrt(3) : 2
であることを思い出せば計算は簡単です。
- O1B = 2*r1
- O2B = 2*r2
- O1O2 = r1 + r2 (中心間距離)
O1B = O1O2 + O2B
ですから:
2*r1 = r1 + r2 + 2*r2
r1 = 3*r2
すなわち r2 = (1/3)*r1
以降も「相似」なまま同じ計算になりますから、ずっと 1/3 です。
[ 浅見多絵さんのコメント ]
あ、そっか。簡単なんだ。
気がつきませんでした。ありがとう。
[ 星楊令さんのコメント ]
そのとおりですね。
次回はもっと難しい問題を考えておきます。
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