[ 0001: ジャズ大名 ]
[ 筒井康隆: Jazzy Feudal Lord ]
南門疾矢君の解説。
アメリカの南北戦争 (1861 - 1865) が終わったあと、両軍は軍楽隊の楽器を安く放出。
これらを手に入れた黒人達が始めたのが、ジャズ。
ときは幕末なれど、片田舎。風雲急を告げているのか、ズッコケているのか?
薩長土肥をもろともせず話は進む。
太平洋で難破せし船に乗っていた黒人ミュージシャントリオは、
はるばる日本の海沿いの某藩領内に漂着。
「どこから まいったか?」
「New Orleans」
「なに、ニョロリとな」
New Orleans がニョロリに聞こえるほど英語音痴でありましたが、
一切かまわずジャズは藩内に浸透。
鉄砲、竹刀 (しない)、鍋釜など、あるゆるものが新楽器作るために使われたるや?
脳天気な殿様先頭に、藩士、はたまた奥女中なども乗りに乗って、
ここに狂熱の一大ジャム・セッションの幕が切っておとされる。
ついでに海援隊やら、新選組に鞍馬天狗、阿波踊り全学連などが
大挙してゲスト参入したら、もっとハチャメチャな SF になっただろうな。
ぬ、ぬはははは... とジャズ的に笑ってみる。
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