0008: 夏への扉

[ 0008: 夏への扉 ]


[ 夏への扉 ]

星楊令さんの解説。

昔は季節折々のイベントあり、蛍や蝉などの昆虫も普通にみられましたから --- 自然に春になった、夏になった、... が感じられましたが、

現在では蛍や蝉も住宅地にはみられない。エアコンは普及している。 だいたいの食べ物は季節をとわず売っている。

夏の到来を告げるものとしては:

   蝉しぐれ
   川原での蛍の群舞
   瓜が食べごろになる
   カキ氷屋さんの開店
   ウチワ片手の縁台将棋

などでしたでしょうか。日本に住むようになって友達から聞きました。

で、「夏の到来」は個々人の趣味によって、どうにでも判断できます。

私が UCLA 留学時代から好きな SF 小説で、 ロバート・ハインライン (1907 - 1988) の書いた「夏への扉 (The Door into Summer: 1957)」 という作品があります。

猫が重要な役を演じます。 SF 小説としても珍しい部類のタイムトラベル仕立て。


1970 年 に思わぬ不運にあった主人公は、30 年冷凍睡眠し 2000 年 に目覚めます。 ふとしたことからタイムマシンの開発を知り、2001 年 から 1970 年 に舞い戻ります。 1970 年 でモノゴトの始末をつけ、ふたたび冷凍睡眠で 2001 年 に目覚めた主人公は、 しあわせな人生 (愛猫、恋人) を手に入れるというハッピーエンド。

タイムパラドックスに対しては、いろいろツッコミがありますが、 この小説が持っている雰囲気や読後のハッピー感が好きで、 毎年夏の訪れとともに読み返しているのであります。

タイムパラドックスの最大の矛盾: 同じ時代 (時間) に同一人物がダブって存在すること。

まあ許すことにします。「夏への扉」をまた開いたとき、ああ夏が来た と感じます。 単に自分の趣味の世界での「夏」ですけどね。

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