[ 0009: カムイの剣 ]
[ カムイの剣 ]
星楊令さんの解説。
矢野 徹 (やのてつ) さんの代表作ですね。 1923 年 10 月 5 日、愛媛生まれ。
中央大学法学部卒。戦後、アメリカ軍兵士の読み捨てたペーパーバックで SF の面白さに目覚め、
単身渡米。
1953 年、第 11 回世界 SF 大会にゲスト・オブ・オナーとして出席。
帰国後、会社に勤めながら SF を翻訳し、
ラジオ・ドラマの台本、ジュヴナイル (少年少女向け) SF を執筆。
以後、翻訳と創作に健筆を振るう。 ... といった経歴。
この作品は 1985 年にアニメ映画になっただけあって、
(陰惨さがありつつも) 基本的には冒険活劇。
時代は幕末。
育ての母、姉を殺された 次郎
(太郎佐とアイヌの娘、オヤルルの子) は
村人に親殺しの濡れ衣を着せられ、村を追われます。
公儀御庭番の頭目、筋骨隆々の和尚である
天海 に拾われた次郎は忍びとして育てられ、
亡き実父の短刀を授けられ、実父の死と自分の出生にまつわる謎を解く探索の旅に出ます。
しかし、託された 日月螺鈿 (じちげつらでん) が施された短刀「カムイの剣」には
なんと海賊キャプテン・キッドにまつわる財宝の謎が隠されていたのでした。
で、実は天海は太郎佐殺しの犯人で、
薩摩隠密の太郎佐が「キャプテン・キッドの謎」を掴んだことを知り追い詰め殺したものの、
忍びとして育てたその子・次郎を探索に出し、財宝を手に入れようと目論んでいるのでした。
... という複雑な構図。そこから物語がどう展開するか、お楽しみ。
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